Mのブログ(仮)

生まれる時代をちょっと間違えたかもしれないアイドルオタクの人生

かれんちゃんのことが大好きでした

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阿部かれんというアイドルの存在はわたしにとってはなかなかイレギュラーなものでした。

現代のアイドルも好きなんだけど、やっぱりわたしの守備範囲はおもに昭和の終盤から平成の初期で、

わたしにとっての「アイドル」というのはレコードやCDの中の存在でしかありませんでした。

毎日ヤフオクや中古屋のサイトをチェックし情報収集、休みの日はレコード屋に足を運ぶ、

そういうタイプのオタクだったわたしの日常をわりと大きく変えたのがハコイリ♡ムスメ、そしてかれんちゃんです。

 

ずっと過去のアイドルに縋っていたから、生のアイドルはすごく新鮮で刺激が多かった。

まずなにより「現場がある」、そして「曲が増える」、「本人に”好きだ”と、”ありがとう”と言える」……。

わたしはQlair Archives以降の新規在宅なんですけど、それでももう10年以上もQlairのオタクしてます。

でも現場はないし、曲も増えないし、 本人に感謝の声を伝えることもできません。

本当にQlairのことが大好きなんだけど、たまにとてつもなく虚しくなります。

だから「好きなアイドルを見に行ける」というのは、当たり前のことのように思えて、本当にラッキーなことだと誰より知っています。

わたしは彼女をデビュー時から見ていたわけではないけれど、それでもこうして卒業まで見送れたというのはすごく幸せなことだと今感じています。

 

 

今年の7月にハコイリ♡ムスメのファーストコンサートが開催されました。

ホームであるAKIBAカルチャーズ劇場を飛び出して、彼女たちにとって初めての大きな舞台でした。

わたしはこの日をものすごく特別に感じていて、発表された日からとても楽しみにしていました。

同時に、コンサートなんてそう頻繁に行うものではないし、もしかしたらかれんちゃんにとってはこれが最初で最後のコンサートになるかもしれないとも思っていました。

だから絶対にこの日を大事にしたかった。

実際それは正解で、コンサートの翌週にかれんちゃんは卒業を発表しました。

 

かれんちゃんの卒業の理由は、大学を再受験するからです。

昨年、受験休業していたかれんちゃんがハコムスに戻ってきたのがものすごく早かったから、

アイドル活動のために志望校のランクを落としたのじゃないかとすごく不安だった。

それは間違いではなくて、推薦で決まった学校に進学を決めて、一般入試を受けなかったらしい。それを聞いてものすごく申し訳ない気持ちになった。

でも行きたい大学を諦めてまで戻ってきた「ハコイリ♡ムスメ」という場所はかれんちゃんにとってすごく大事な場所なんだと思う。

だから「(受験で)長期休むのがこわい」とまで言っていたかれんちゃんが、ハコムスを離れるを決断した勇気はすごく格好いいと思った。

卒業してしまうのは本当に悲しいけれど、本当に自分の進みたい道を諦めないでくれたことにとても安心しました。

卒業の理由がふんわりしたものでなくて、ものすごく的確だったから、本当に素直に、心から応援できることがありがたかった。

 

アイドルはいつかは辞める、というのはもちろんわかっているし、卒業だっていつかは来ることだと覚悟していたけれど、

それはわたしが思っていたより少しだけ早くて、いざ発表されるとめちゃくちゃ悲しかった。

毎週毎週なにかしらイベントが開催されているけれど、わたしの財力や生活では月1、2回参加するのが精一杯で

わたしはそんなに頻繁にイベントに足を運んでいたわけではないけれど、残りの二ヶ月はできるだけかれんちゃんに会いに行きたいと思った。

それでも他の人に比べたら参加した回数も使ったお金も全然少ないけれど、わたしはわたしなりにかれんちゃんに後悔を残したくなかった。

卒業発表の日に「卒業までまだ二ヶ月ある」と言ってくれたからわたしは「まだ二ヶ月あるんだ」と思ってたけれど、

いざ過ごしてみるとその二ヶ月は本当にあっという間で、気がつけば卒業公演を迎えてしまいました。

 

 

9月30日に行われる予定だった卒業公演は、台風により1週間延期され10月6日に開催されました。

開演前物販に並んだり、ロビーに写真を飾ったりしていても、かれんちゃんが卒業するなんて全く実感がわかなかった。

公演は「Overture」で始まり、かれんちゃんは真っ白なドレスに赤い花の花冠をつけていた。

卒業公演に向けた感情って「楽しみ」というのとはまた違うんだけど、唯一楽しみにしていたのが衣装だった。

なんていうのかわからないんだけど、スカート部分の前は短くて後ろが長いドレスはウエディングドレスみたいで

アイドルとして最後の日のかれんちゃんはめちゃくちゃきれいだった。

挨拶やMCのときかれんちゃんの立ち位置はいつも向かって一番右なのに、今日は主役だから真ん中に立っていて、

このときはじめてかれんちゃんが卒業するんだとちょっと実感が湧いてきた。

 

セットリストはかれんちゃんが思い出深い曲やメインの曲ばかり16曲。

「baby blue」でぽにょがかれんちゃんのドレスの裾を持って共に移動する演出が素晴らしかった。

明るい曲や可愛い曲もあるのにすごい早い時点で泣いてしまって、多分隣の人はどん引きしてたと思う。ごめんなさい。

わたしの好きなQlairの曲を最後に歌ってくれたのも嬉しかったし、望実ちゃんとの「いちご水のグラス」も素晴らしすぎた。

メンバーからの手紙で、かれんちゃんは本当に優しい先輩だったんだなと思った。

かれんちゃんは初めての新メンバーとして、しかも一人で加入したから、後輩たちをすごく気にかけていたんだなというのがひしひしと伝わってきた。

「Be My Diamond!」とか大好きだし、「なかよし」とか普段めちゃくちゃ楽しい曲なのに、楽しむ余裕なんて全然なくて、ただただ「これが最後かー」って気持ちしかなかった。

ラストの「微笑みと春のワンピース」の歌割がかれんちゃん加入時のもので披露され、当時歌えなかったリベンジを果たして、かれんちゃんはアイドルとしてのステージを去った。

かれんちゃんにとって本来の歌割でこの曲が歌えたことが、アイドルを「やりきった」ことに繋がってるんじゃないかなと思う。

 

でも実際、わたしは「微笑みと春のワンピース」の落ちサビを歌えなくて歌割を外されたかれんちゃんを知らない。

あの頃から知ってる人にとっては、成長を見届けた卒業公演だったんだと思うけれど、

わたしが初めて見たかれんちゃんはその時点でわりとアイドルとして完成されていて、だからこそ目を奪われた。

最初から最後まで、かれんちゃんはわたしにとってキラキラしたアイドルだった。

わたしにとってアイドルとは成長を見守ったり、掲げる目標を目指してともに歩むものではなくて、ただ客として純粋に楽しませてもらうものだった。

わたしが見てきたかれんちゃんは「負けず嫌い」っていうのが最後までイマイチピンとこなかったくらい、努力や挫折をステージ上に持ち込まない人だった。

裏では数えきれないくらい努力も挫折も苦悩も涙もあったはずなのに、ステージではいつも優雅に器用にこなしているように見えて、そういうところが本当にプロだなと思った。

わたしにとってのかれんちゃんはいつ見ても最高のアイドルだった。

 

卒業公演、めちゃくちゃいい公演で、終わった時点でもう泣きすぎて顔がやばかった。

卒業発表の日に「たぶん今が一番悲しい」と思っていたけれど、全然そんなことなかった。最後の日が一番つらかった。

ステージに立っているかれんちゃんのことがこんなに好きなのにもう見られないんだなと思うと、

今までかれんちゃんがいるから頑張っていられたのに、明日からなにを希望に生きていけばいいんだと思った。

 

終わらない特典会では阿部かれんだーのサイン会3回ループして、最後の接触のとき

「もうこれが本当に最後なんだからなんか喋らなきゃ」って必死だったんだけど、

もう本当に何にも言えなくなってしまって、かれんちゃんがサインを書いてくれている間ただただ黙り込んでしまった。

わたしは今までお金もいっぱい使えなかったし、かれんちゃんが笑ってくれるようなおもしろい話もできなかったし、喜んでくれるプレゼントだってできなかった。

ものすごくたくさんのものをもらったくせに、ほんとうに何一つ返すことができなかった。

それでもこんなオタクに最後まで優しく微笑んでくれるかれんちゃんのことが大好きという感情しかなくて、もうこれが最後なんだなと思うと本当に悲しくて悲しくて仕方なかった。

かれんちゃん、めっっちゃくちゃ疲れてると思うのにずっと笑顔でいてくれて、やっぱりこの人は本当にアイドルだなっと最後の最後に改めて思い知った。

アイドルが握手会などでオタクに優しくするのは仕事・パフォーマンスのうちなんだとわかっているけれど、

かれんちゃんの優しさをそんな風に片付けてしまうのは本当に失礼なくらいに優しい人だった。

ここに書きたいけど自分の中だけにとどめておきたいような気もするエピソードが本当にたくさんある。

でも結局わたしのコミュ力は最後まで向上せず、かれんちゃんと上手く話せないままで何一つ成長しなかったな……。

最後の接触の後に悲しすぎて泣いてたらオタクの人たちが優しい言葉をかけてくれてめちゃくちゃ救われました。

 

特典会の最後の挨拶まで見届けるつもりでてたんだけど、13時開演のイベントがこんなに遅くまで終わらないなんて思ってなくって、

このままだと終電間に合わなくなるから、わたしは家に帰ることを優先することにした。

「絶対後悔するよ」とか「ほかのルートはない?」とか「どこか泊まったりできない?」とか

オタクの人たちがすごく気にかけてくださったけど(本当にありがとうございます)もうこればかりはしょうがないと諦めることにした。

帰ります、とオタクの人たちに挨拶したら、最後にかれんちゃんがサイン会の手を止めて「ありがとう、帰り気をつけてね」って手を振ってくれた。

今日はかれんちゃんを見送りにきたはずなのに、なぜかわたしの方がかれんちゃんに見送られながら劇場を去ることになった。

最後の最後までかれんちゃんはこんなわたしにも優しくしてくれてただただ涙が出た。

わたしのアイドルオタクとしてのひとつの歴史がここで終わりました(終電は無事間に合った)

 

 

わたしがかれんちゃんを好きでいたのは彼女の3年半のうちたった2年と少しです。

わたしよりかれんちゃんを長く見ていた人はたくさんいるし、わたし以上にかれんちゃんのことを好きだった人だってたくさんいる。

でもそうやって誰かと競う必要は多分なくて、自分なりのやり方でかれんちゃんのことを好きでいた2年でした。

初めてハコムスを見た夏の日、「雨のジェラシー」で白い傘を持つかれんちゃんの佇まいが美しすぎて、そこから全てが始まって、この前終わりました。

彼女に出会えて、好きになって本当によかったと思うことだらけでした。

かれんちゃんを好きになってから、嫌な思いをしたことも後悔をしたことも一度もなくて、本当に会うたび会うたび好きになっていく、そんなすごいアイドルだった。

多分今が一番かれんちゃんのことが好きだと思います。

 

「ずっと好きでいたい」と思っても、所詮オタクも人間だから、飽きたり他の子に目移りしたりするし、

自分が飽きるのが先か、アイドルが辞めるのが先か、こればかりは誰にもわからない。

でもわたしの目標のひとつが「かれんちゃんがアイドルを辞めるときまでファンでいる」だったので

それがこんなにも早く、あっさり叶ってしまって、すごく寂しいけれど、大好きな気持ちのまま最後を見送れたことを少し安心しています。

 

かれんちゃんがこの先どうするのかはもちろん知らないし、もしかしたらまた何かしらの形で芸能活動をするのかもしれない。

でももう会わない・会えない可能性だって大いにあると思う。

わたしはそれでもいいと思ってるし、今までファンのためにアイドルとして10代の貴重な時間を3年半も費やしてくれたんだから、

どうかこれからの人生は自分のために、自分のやりたいことをして生きてほしい。

 

かれんちゃんは「これからは一人」というのをすごく強調しているような気がしたけれど、絶対にそんなことはない。

グループを卒業しても、ご家族、ご友人、これから出会う人……、本当にたくさんの人がかれんちゃんの周りにいることを、どうか信じてほしい。

「何色にも染まれるように」と白いドレスを選んだかれんちゃんはこれから何にでもなれるのだから、

卒業発表のときに好きだと言っていた「旅をつなげて」の歌詞、「迷ったときこそ 信じて自分を」の言葉を胸に新しい道を歩んでください。

 

かれんちゃんのことを好きになって、本当に幸せでした。

アイドルになってくれて、ありがとうございました。